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中小企業診断士えんさんの視点!

岐阜県を中心に活動している中小企業診断士のえんさんこと遠藤久志が、独自の視点で世相・経営・マーケッティングの本質に迫ります!

サムスン電子のデジタル一眼は脅威か?

ニュース 企業・経営者 経済・政治・国際

 一消費者として、また中小企業診断士として、家電業界の動向は気になるので、よくその手の情報サイトや雑誌に目を通している。

 その中で、少し気になっていたのが、この出来事。

デジカメWatch】 『サムスン、ミラーレスAPS-C機「NX10」を海外で今春発売 』http://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/20100105_340551.html

 「ミラーレスAPS-C機」とはわかりにくい表現だが、要はレンズ交換式のデジタルカメラ、いわゆる”デジタル一眼”のこと。ちなみに「ミラーレス」だとレフがないので「一眼レフ」とは言わない(そのため、「一眼もどき」と言うマニアもいるが)。

 今や飛ぶ鳥を落とす勢いのサムスン電子。そのサムスン電子がデジタル一眼市場に参入、というのだからそれなりの考えがあってのことだろう、と何となく考えていたが、やはり相当の思いを持ってこの市場に参入したようだ。

『日本に仕掛ける「焦土作戦」 サムスン電子 (上)』

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20100323-00000301-sentaku-bus_all

 上記の記事から、要点を抜粋したい。

 「「眼下のビジネスに安住するな。キャッシュがあるうちに半導体、液晶パネルの代わりを探せ」。リーマンショック後の〇八年末、サムスンではこのような大号令がかけられ、「脱エレクトロニクス」という明確な目標が掲げられた。」

 「しかし、サムスンといえども、新産業の育成など一朝一夕にできるものではない。それまでの期間、成熟化したエレクトロニクス市場でどのように成長を維持するか。サムスンは伝統的に、最も与しやすい相手から新たな市場を奪う。標的はまたしても日本である。」

 「昨年夏、来日したサムスンの上級幹部の注目すべき発言が伝わっている。その内容は、「主要部品を内製化し、一眼レフカメラの完全内製化を実現したい」というもので、その際「ニコンキヤノンの日本勢の牙城を崩したい」と断言したという。」

 「サムスンが「デジタル一眼レフ」に白羽の矢を立てたのは極めて象徴的である。確かにサムスンの主力四事業(薄型テレビ、携帯電話、半導体、液晶パネル)に比べれば、事業規模で見劣りする一眼レフだが、そのインパクトは決して小さくない。業界アナリストは指摘する。」

  「イメージセンサーのほかレンズ、光学部品、各種電子部品など基幹部品が搭載されており、これらはいずれも現在に至るまで日本勢の独壇場だった。」

 「電子部品の市場規模は二十兆円以上とも言われており、彼らにとっては熟した隣家の果実そのもの。金額もさることながら、いまだサムスンの手つかずの市場を彼らに奪われるダメージは計り知れない」
 

 「こうした「日の丸」電子部品は、材料の配合や焼成技術など職人技とも呼べる技術的蓄積のかたまりだ。また、光学系部品は極めて高度なすり合わせ技術を要する。これらの製品は、技術上の差別化よりもコスト削減と果敢な集中投資で競争をリードするデジタル時代のサムスンの常勝パターンからは外れるもので、本来彼らが最も不得手とする領域である。」

 「こうした分野にまで彼らの手は伸びてきているのだ。日本勢が優位を示せる「最後の市場」に対するサムスンの戦略は、日本勢を徳俵にまで追い詰めるものにほかならない。」

 果たして、「職人技とも呼べる技術蓄積のかたまり」にまで、サムスンが肉薄できるのか、その行方は未知数だが、少なくとも現段階でデジタル一眼市場での勝算があるのか、というといささか疑問が残る。

 上記の論文にも書いてある通り、デジタル一眼市場は、テレビや家電のように大衆が購入するものではないので、市場規模もそこまで大きくはない。その他のアジア勢は、当然のこととして、機能を削ぎ落として”ボリュームゾーン”に向けた低価格帯のコンパクトデジカメを投入してきている。

 コンパクトデジカメ市場では、カシオ、ソニーパナソニックなど家電メーカーがキヤノンに匹敵するシェアを誇っている。一方、保守的なマニア層が多い一眼市場は、デジタルに移行してた現在においても、キヤノンニコンが高いシェアを誇っている。

 家電メーカーはと言うと、パナソニックは「女流一眼」のキャッチコピーで、(ドラッカーが言うところの)「顧客の創造」を図り、新たに女性を中心としたエントリーユーザー向け市場を確立しているが、SONYコニカミノルタを買収したものの、その資産を活かしきれずに苦戦している状況だ。

 このように、新参勢力が参入しづらい市場であるデジタル一眼市場に、敢えて殴りこみをかけたサムスン電子。一見、無謀な戦いに見えるが、日本勢が高を括って油断していると、足元をすくわれるかもしれない。

 また、デジタル一眼の開発によって、今後電子部品の製造技術を着々と蓄積していくことは間違いない。少なくとも、「ものづくりは日本のお家芸」と、慢心することは禁物だ。

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