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中小企業診断士えんさんの視点!

岐阜県を中心に活動している中小企業診断士のえんさんこと遠藤久志が、独自の視点で世相・経営・マーケッティングの本質に迫ります!

『脱 ガラパゴス戦略』

マーケティング 企業・経営者 経済・政治・国際

 たびたびこのブログで指摘しているように、東アジアを中心とした新興国の市場成長において、日本メーカーはサムスンLG電子、ハイアール、エイサーなどアジア勢に対して劣勢を強いられている。

 その要因としては、長らく1億2千万人を超える日本という巨大市場で安定的地位を築いていたこと、さらには日本人特有のスペック(機能)至上主義・品質至上主義によって、新興国マーケットにフィットした商品開発やマーケティング展開を怠ってきたことなどが指摘されている。

参考ブログ)

『ものづくり敗戦』

http://noir-kuon.cocolog-nifty.com/blog/2009/07/post-8ba4.html

『『技術力で勝る日本が、なぜ事業で負けるのか』-2』

http://noir-kuon.cocolog-nifty.com/blog/2009/08/post-3593.html

サムスンに学ぶ』

http://noir-kuon.cocolog-nifty.com/blog/2009/10/post-910f.html

 携帯電話に代表されるように、国内市場では高いシェアを誇るものの、高機能すぎて他国では受け入れられない、という現象を「ガラパゴス化」とは、上手く言ったものである。ウィキペディアには、こうある。

 「ガラパゴス化(がらぱごすか:Galápagos Syndrom)とは、生物の世界でいうガラパゴス諸島における現象のように、技術やサービスなどが日本市場で独自の進化を遂げて世界標準から掛け離れてしまう現象のことである[1]。転じてジャラパゴス・シンドロームJalápagos Syndrom)とも呼ばれる。」

 このような「ガラパゴス化」を克服して、日本メーカーは伸び行く新市場でどのように戦っていけばよいのか?単にアジア勢を模倣するのではない、もう一つの道を提示した書籍を読んだ。

 同書は、昨年9月に発売された『ガラパゴス化する日本製造業』の続編として刊行された。同書による提言として、もっとも注目すべきは、「今あるボリュームゾーンを狙うのではなく、今後増加が予想される1万ドル超の世帯を狙え」という指摘である。

 これらの層にアプローチするためには、彼らの「日本ブランド」に対する関心の高さや憧れをくすぐり、技術・文化の両面から攻めるべきである、という提案には、大いに納得してしまった。

 同書では、すでに「1万ドル超世帯」へのアプローチに成功している代表選手として、化粧品メーカー「資生堂」を紹介している。当初資生堂は、中国市場における超富裕層、上位1%の層を対象にビジネスをしていたが、コストを下げながら、同国の富裕化によって現在は5%が対象になり、今後はさらに市場の広がりが見込めるという。

 そしてもう一つ注目すべき指摘は、前述の多くの書籍でも指摘されているように、「自前主義」から脱却し、いかに「オープン化(同書の表現を借りれば”仲間づくり”)」を進めるかが、日本メーカーの克服すべき課題である、ということである。

 電気自動車への転換によるコモディティ化が予想される自動車分野はもちろんのこと、環境・エネルギー分野においても同書は「特許に頼って競争に勝てる時代ではない。」と、技術力のみに頼る日本企業に警鐘を鳴らしている。

 同書によれば、「たとえ優れた技術を独占していても、それによって優位を保てる時間は驚くほど短い。」とした上で、それを克服するポイントは「自分の能力をはるかに上回るスピードで進む」ことと提言している。以下、さらに引用。

 「ところが概して日本企業は、自社の技術を特許で守り、収益を稼ぐという昔ながらのビジネスモデルから脱却できずにいる。~(中略)~たとえ他社技術が自社より劣っていたとしても、やはり「仲間」が多い方が勝ちなのである。」

 よく家電系の雑誌を好んで読むのだが、iPodiPhoneは個々の機能において日本メーカーに決して勝っているわけではない。しかし、「仲間づくり」の巧みさで、日本市場も含めた世界市場で受入れられていると言える。

 一方で日本メーカーの代表選手、ソニーは驚くほど「仲間づくり」が下手クソ・・・。

SONYは日本モノづくりの代表選手!』

http://noir-kuon.cocolog-nifty.com/blog/2010/03/sony-23a3.html

 いずれにせよ、日本メーカーの強みである技術と文化の両面を打ち出し、1万ドル超市場を狙いつつ、日本メーカーの克服すべき弱点である「仲間づくり」をいかに進めるか、新興国市場における第二ラウンドの行方に注目していきたい。

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