中小企業診断士えんさんの視点!

岐阜県を中心に活動している中小企業診断士のえんさんこと遠藤久志が、独自の視点で世相・経営・マーケッティングの本質に迫ります!

ユニクロの強さは『市場の創造』にあり。

 この不況下において「独り勝ち」とも言える好業績を上げているユニクロファーストリテイリング)の会長兼社長である柳井正氏は、経営学の大家、ピータードラッカーを信奉し、彼の著作を繰り返し読んでいるという。かつて、ドラッカーは、企業の目的の中で一番大切な『顧客の創造』であると言ったが、柳井氏はドラッガーのこの言葉を愚直に実行し、現在のような好業績を作り上げている。

 10月23日の日系MJによると、柳井氏は産経新聞のインタビューに対して、以下のような興味深いコメントを発している。

「大半のメーカーは服はファッションがすべてだと考えるがそうでなない。大半の人は服に興味がないし、忙しくて時間もない。服に興味がない人も、ストレスなく服が選べて楽しめるのが、良い服(屋)だと思う。」

 衣料業界に携わっている人は、とかく「消費者の目は肥えている。消費者のニーズを先取りするには、トレンドの最先端を追いかけて「先端的」な商品をつくらなければらない。」と言った呪縛に駆られている。こうした業界の既成概念を超えて、消費者の潜在的なニーズを汲み取り、商品や店づくりを行うユニクロの強さが、今ここで際立っていると言える。

 そんなユニクロを代表する商品といえば、数年前なら「フリース」、最近で言えば「ヒートテック」だが、これらのヒット商品も、ドラッカーの言う『市場の創造』を具現化した商品だ。

 柳井正氏の最新著作『成功は一日で捨て去れ』によると、フリースはもともと登山着として知られていた素材で、防寒着として用いられていたため、色のバリエーションは赤とかダークグリーンに限られていた。それを、原宿という場所でカラーを徹底的にそろえ、プライスも1900円に統一して展開したことによって、大ブームにつながっていったという。

 また、ヒートテックについても、もともとは熟年男性がゴルフをする際の防寒用肌着の素材を改良したものという。常識的ない人であれば、これはスポーツ関連用品と考え、5万点から10万点は売れるだろう、と考えるところを、ユニクロではそんな常識にとらわれずに、様々な付加価値をつけ、適切なプロモーションを展開することによって4年間で6550万枚を売り上げる大ヒット商品となった。

 ここで重要なのは、一つは「ちょっとした考え方の違いで、商品の可能性が広がる、大化けするのではないか」、と考える発想力、そしてその可能性が見えたら、熱意を持って取り組み、大量に作る体制と広告宣伝をどう重点的にやっていくか、という実行力が、成否を左右する、ということである。

 ここ最近、「日本企業はどうして、技術力で勝ちつつも経営で負けるのか?」といったテーマについて、主に家電分野」に関して考えてきた。ユニクロは衣料分野において、「技術を、どう活かせば市場(マーケット、顧客)に受け入れられるか」を考え抜き、さらには「ディフュージョン(普及)までを視野に入れたシナリオ」を描き、これを着実に実行することによって、現在の繁栄を築きあげてきたと言ってよいだろう。

『技術力で勝る日本が、なぜ事業で負けるのか』-2 2009年8月15日 (土)

http://noir-kuon.cocolog-nifty.com/blog/2009/08/post-3593.html

 もっとも、柳井社長はマスコミに「独り勝ち」と礼賛されても浮かれる様子はない。同著においても、「現在のユニクロは独り勝ちとはいえない。単に不況に負けていないだけ」と涼しいものである。『成功は一日で捨て去れ』という題名も、柳井社長の現状に安住しない姿勢を端的に表現している。

 とかく今の世の中、不振の原因を景気や安価な海外製品など外部に求めがちだが、経営者もサラリーマンも、柳井氏にように経営の原点に立ち返り、『市場の創造』について考え抜き、実行することが大切なのではないだろうか。

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