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中小企業診断士えんさんの視点!

岐阜県を中心に活動している中小企業診断士のえんさんこと遠藤久志が、独自の視点で世相・経営・マーケッティングの本質に迫ります!

好調ユニクロ、スズキのアキレス腱

つれづれ 企業・経営者 経営者

   ユニクロファーストリテイリング)とスズキは、いわゆる”100年に一度”の大不況の中で好業績を続ける、数少ない勝ち組企業の代表であることは、誰もが認めることだろう。

 ユニクロは、他のアパレル企業や百貨店における衣料品売上が軒並み大幅減収を続ける中、3月の国内既存品売上高が前年同月比7.0%増を実現。業績好調の要因は、単に「ヒートテックのヒット」というブームに終わっていないことを実証した。

 スズキは、さすがに増収増益とまではいかないが、トヨタが赤字に転落するような経営環境ながら、迅速な経営判断によって在庫を圧縮、利益のマイナス幅を最小限にとどめていることは、前回のブログで紹介したとおりである。

http://noir-kuon.cocolog-nifty.com/blog/2009/03/post-7782.html

 ところで、注目すべき両社の共通点がもう一つある。それは両社とも、代表取締役ユニクロ柳井正氏、スズキ:鈴木修氏)は”会長兼社長”であり、いずれも一旦会長に退き更新に社長を任せながらも、各々の事情によって社長に逆戻りしている、ということである。この厳しい経営環境の中で結果を出し続ける柳井氏、鈴木氏の経営手腕は、賞賛に値する。しかし、経営者の最後にして最大の仕事といわれる、”後継者の育成”に関しては、合格とは言えず、両社の将来に一抹の不安を抱かせる。

 ユニクロの前社長である玉塚元一氏は、2002年に39歳の若さで社長に抜擢されたものの、2005年に同社を去り、以降柳井氏が社長を兼ねることとなった。さらに本日の日経MJによると、本年2月に同社取締役の松下正氏の辞任が発表され、ユニクロの取締役は何と柳井氏一人になった、とのことだ。かねてより、「65歳で引退する」と公言している柳井会長。残された時間はあと5年、引継ぎ期間を考慮に入れると、さらに短い。果たしてそれまでにユニクロを支える経営チームは構成されるのだろうか?

 スズキに関しては、先日読んだ鈴木修氏の著書、『俺は、中小企業のおやじ』に詳しい経緯が書かれている。2008年12月10日に同社社長の戸田紘氏が健康問題で社長を辞任、同社を取巻く経営環境が非常事態、ということもあり、鈴木会長の社長復帰が発表された。同書によると、彼が後継者と見込んでいた娘婿の小野浩孝専務は、2007年に52歳の若さで他界、鈴木氏の思い描いていたシナリオ通りにことが運ばなかったという不運もあったようだ。

 78歳という高齢ながら、まだまだ社長として企業を牽引し続けようと言う、同氏の気力・体力には感服させられる。しかし、たとえ経験不足であっても同社の舵取りを任せよう、という人材がいなかったのか、はたまた鈴木氏の目に留まらなかったのか、この社長交替劇には疑問が残る。この発表によって、3兆円を超える大企業が「人材不足」を社外に露呈するということになりかねはしないか?また、社内でも「いつまで経っても責任ある仕事を任せてもらえない」というモチベーション低下につながらないか、懸念されるところである。

 鈴木会長いわく、「売上高3兆円といっても、それは取扱高に過ぎない。鈴木の生み出した付加価値額は3,000億円~5,000億円に過ぎない、だからまだスズキは中小企業だ」、とのことだ。3,000億円は、十分大企業だと思うのだが、そのあたりの感覚の違いには敢えて触れない。いずれにせよ、柳井正氏、鈴木修氏が「いつ」、「誰に」社長の座を譲るか、それが今後の両社の将来を左右するとともに、柳井氏・鈴木氏、両氏の経営者として真の力量を測る重要な指標となることであろう。

 

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