中小企業診断士えんさんの視点!

岐阜県を中心に活動している中小企業診断士のえんさんこと遠藤久志が、独自の視点で世相・経営・マーケッティングの本質に迫ります!

派遣切りに思う、ロストジェネレーション世代として。

 未曾有(みぞうゆう)の景気の悪化、深刻化する雇用情勢。本日、NHKでは中部地方における雇用を取り巻く状況の特番を行っていた。

 そもそも通訳やプログラマーなど、専門能力を有する分野のみで認められていた派遣社員制度。それが1999年に原則自由化され、人件費の削減と景気変動に伴う雇用の調整弁としての機能を存分に(?)発揮したのが、まさに今の状況といえよう。

 NHKの番組では、興味深い2社の事例が紹介されていた。1社は派遣社員が8割を占める企業。この会社では、本来正社員が担うべき「その人がいなくては仕事が進まない」ような職務までも派遣社員が担っており、景気悪化に伴い派遣契約を打ち切ろうにも、彼らがいないと仕事が回らず、契約を打ち切れないという事態に至っている、とのことだ。

 そこまでスキルを高め責任ある業務を担っている派遣社員は、大いに正社員化すべきと思うのだが、正社員化するかいなかに一定の指針はなく、企業のさじ加減次第というのは大いに問題あり、という気がする。このような姑息な手法で人件費を抑えつづけたい企業が、果たして競争力を有し続けるのであろうか?いくら人件費を低く抑えるといっても、中国やベトナムの人件費の安さにはとても太刀打ちできない。人件費=コストとしか考えない企業に、決して明るい未来は訪れないだろう。

 もう一つの企業は、社員を育成し成長してもらいたいとの思いで、派遣社員の正社員化を積極的に推進している事例であった。派遣の状態では受身であった社員も、正社員となれたことで仕事に対する姿勢・責任感が増していると言う。また、こうして派遣社員から正社員への道が開かれている、という実績があるということは、「頑張れば報われる」という企業姿勢が伝わり、他の派遣社員の働きぶりも違ってくるのではなかろうか。

 人材を単なるコストとみなすか、または事業をともに推進する大切なパートナーとみなすか、どちらが中長期的な繁栄を築くことができるか?数年後の2社の業績が気になるところだ。少なくとも日本全体で考えれば、後者のような企業姿勢を持つ企業が一社も増えれば、国力全体の底上げにつながるだろう。

 残念ながら、今は前者のような企業が多数を占めているといわざるを得ない。私もロスト・ジェネレーション世代の一人だが、大学卒業以来、様々な経験を積ませていただき、それなりに成長できた気がする。同世代以下の多くの人たちが、卒業後の貴重な時間を単純作業しか経験できないとすれば、彼らにとっても日本全体にとっても大きな損失である。

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